令和五年度 インテリアデザイン 最終講評会

11月30日、学部3年の設計授業「インテリアデザイン」の最終講評が広島県福山市にあるUID一級建築士事務所で行われました。 今回の設計課題は「私の家にある小さなお茶空間」です。千代研3年の安、大石、庄野、田中が参加し、茶室の空間性やお茶を飲むという行為についての解釈によって、現代より少し先の狭小住宅での暮らしについて考えました。以下作品の紹介です。

安 「見て繋がる暮らし」
茶室を一つの舞台として捉え、家族の生活を見ることが出来る場として機能する提案です。壁ではなく柱で空間を区切ることで開放的な住宅になっています。

大石 「発露する家」
住宅の中の廊下や階段を住み手の生活が発露する場としての露地と捉えています。露地に溢れ出た生活行為が住み手同士のコミュニケーションづくりを促す住宅の提案です。

庄野 「ふるまいを想いえがく」
茶室・露地における主人と客の関係性に着目しました。住まう人の活動を建具によって表現し、間接的なコミュニケーションを生み出す住宅の提案です。

田中 「自分をもてなす家」
茶事のおもてなしにおける客の感情の変化に着目しています。一人暮らしの住宅において絶対的・相対的な感情によって空間を選択することで動線を作り上げる提案です。

茶室・露地を個人の考えを起点としたそれぞれの視点から解釈したことで、全体として共通点の少ない設計課題になった印象を受けました。毎週のエスキスにおいても、同期の異なる視点からのアプローチには興味深い点が多く、自分だったらどう形にするだろうかと考えるのも楽しかったです。前田先生からは、立体的な空間性や寸法感覚など多く助言をいただきました。今作品のブラッシュアップや今後の設計にも活かしていきます。

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講評会終了後、現在前田先生が設計を進めている課題敷地の狭小住宅について模型とパースを合わせて説明していただきました。洞窟のような躯体が屋根に覆われている案、塔のように高く、上階から海を見渡すことが出来る案について紹介していただきました。施主からの日常と非日常を感じられる空間という要望に対して、非常に奇抜な案で回答されていた前田先生ですが、どちらも暮らしにおける説得力があるように感じました。この説得力は前田先生の寸法感覚によるものだと思います。別室にはいたるところにテープが張り巡らされており、非常に驚きました。テープを用いて、どのくらいの広さ・高さが好ましいかということを実寸で考えておられるようです。ここまでしないと寸法に説得力が出ないのかと畏敬の念に打たれると同時に、私もここまでやってみたいという気持ちも生まれました。

事務所内には何通りもの模型やスケッチがあり、自分の設計に対する熱量との差を思い知りました。今後の建築への向き合い方を考え直すきっかけとなったように思います。

お忙しい中UID事務所内で講評、そして貴重なお話をしてくださった前田先生、我々が伺うにあたり細やかなお気遣いをしてくださったUID事務所所員の皆様、この場をお借りいたしまして深く感謝申し上げます。

令和5年度「インテリアデザイン」3年 庄野那奈