令和4年度 インテリアデザイン ガイダンス・建築見学(講師:UID 前田圭介先生)

2022年10月20日、広島県福山市にあるUID一級建設計事務所にて、学部3年生の設計授業「インテリアデザイン」のガイダンス及び建築見学が行われました。

今年で3回目となり、もはや恒例行事ともいえるUID様への訪問を楽しみにしている学生も多く、受講生の他にも学年問わず多くの学生が参加しました。

講師は前田圭介先生(UID)と千代章一郎先生(島根大学)、今年度の受講生は、先日千代研究室に配属されたB3の新メンバーの河野、冨永、番匠の3人です。

課題ガイダンス

事務所内で、実際の模型を用いて説明を頂きました。

まず、UID事務所内にて今回の設計課題についてのガイダンスが行われました。

今回の設計課題は「新たな公と私がつくる都市の中の自邸」です。

昨今、様々な家族体系が生まれ認知されている中で、家族とは何か?数十年後の家族の未来像はどのようなものか?ということに思いを馳せ、既成概念に囚われない形態の創造を目的としています。

前田先生はご自身の手掛けられた建築に対し、過去の経験を交えながら、どのような点に留意したかなど、細かく説明されました。

また2050年問題や地球の人口問題、地方と都市の問題などに対し、地元福山から世界へ発信されている最前線の立場から、我々に何が必要なのか、どうするべきかを千代先生との対談の中で説いて下さいました。

建築見学

「peanuts」内部を見学
「forestaカランころ」内部を見学

続いて、事務所よりほど近い、こどもつくし園「forestaカランころ」、「peanats」の2棟を見学致しました。

「peanuts」は2012年の建築で、0歳児に特化した乳児棟です。

中央の空間を取り囲む通路は、有機的な曲線で、かつ緩やかな傾斜を持ったものになっており、乳児と保育士との目線の問題に対して非常に細かい設計をもって答えられているものでした。

建築から10年近く経つ今でも、まっさらで純粋な空間は、無垢な空間を見事に演出していると言えます。

「forestaカランころ」は2020年の建築で、4~5歳児対象のダイニングホール棟です。

巨大な十字柱が並ぶ教会のようなこの建物は、中に入ると非常に大きな空間に感じる視覚効果を持っており、思わず上を見上げてしまうような美しい空間でした。

また雨どいに繋がる蝙蝠の彫刻や、外部ベランダの水たまり広場など、遊び盛りの子供達にはたまらないワクワクを詰め込んだ建築に仕上がっていました。

実際の建築を見学することで、前田先生の熱いパッションや、それでいて同時に非常に細かなところを見逃さない繊細さに圧倒されました。常に相手の視点に立ち、全力で取り組む姿勢をしっかり学ぼうと、見学する学生も燃えていた様子でした。

敷地見学

福山市本通・船町商店街の見学

対象敷地の見学と調査に赴きました。

本通り・船町商店街に面するL字型の特徴的な敷地です。

この商店街は2016年に前田先生が改修を行った商店街であり、従来のアーケードの代わりに7000本のワイヤーをストライプ上に掛けることで、商店街のつながりの記憶を持ち続けると同時に、新たな商店街の姿を再創造したものでした。

特に印象的だったのは、商店街の道行く人が前田先生をみると「前田さん!」と声をかけていく様子です。最初はなかなか受け入れられず、かなり厳しい言葉を掛けられることもあったそうですが、あきらめず、行動を続けることで商店街に住む人々との繋がりを勝ち取ったのだそうです。

千代章一郎先生は前田建築を「美しいものの勝利」と評しました。

非常にエネルギッシュでパワフルな建築家である前田先生のお話と実作の数々を通して、これから設計課題に入る3年生は不安もわくわくも両方持っていることと思います。しかし、全力で取り組めば必ず光明は見えてくるものだと信じ、楽しむことを忘れずに取り組んでもらえたらと思います。

TA 槇山公喜