第10回 菊竹研究会 インタビュー 江角彰宣氏

 2025年2月21日、島根大学に江角彰宣さんをお招きし、菊竹研究会のインタビューを行いました。菊竹研究会では菊竹清訓建築設計事務所元所員の方々にインタビューを行っており、今回は10回目となります。

 江角さんは菊竹事務所所員時代に17の京都信用金庫支店、真野町役場、弘前市社会福祉センターなどを担当されており、島根県での仕事では田部美術館、出雲大社神祜殿に携わっています。今回のインタビューでは、それぞれの仕事における設計、現場での経験について丁寧にお話ししていただきました。 

 江角さんは菊竹事務所所員時代に17の京都信用金庫支店、真野町役場、弘前市社会福祉センターなどを担当されており、島根県での仕事では田部美術館、出雲大社神祜殿に携わっています。今回のインタビューでは、それぞれの仕事における設計、現場での経験について丁寧にお話ししていただきました。

 島根県にある菊竹建築の中には江角さんが解体・改修を担当されたものも多くあり、特に田部美術館においては屋根のコールテン鋼が山陰の気候から大きな影響を受けることや解体された出雲大社庁の舎ではPC工法における問題点などについて設計以外の側面からお話を伺うことができました。

 また、りんごをモチーフとした照明や、天童木工との仕事で椅子をデザインしたお話は印象的で、私の中の最先端のものを取り入れ、大きな概念やイメージから建築を作り上げる菊竹像とは異なる菊竹さんの一面を知ることができたように思います。 江角さんの描かれたパースに対してダメ出しをしながら描きこみを行う菊竹さんのお話も興味深く、建築の二次元的な表現における菊竹らしさはどこにあるのだろうかと考えさせられました。

 最後になりますが、ご多忙、遠方の中お越しいただきました江角彰宣さん、この機会に際しましてご協力いただきました日本建築学会中国支部島根支所、菊竹清則研究会、島根大学、米子工業高等専門学校、早稲田大学理工学部建築学科、早稲田大学理工学研究所、斎藤信吾建築設計事務所の皆様、この度は誠にありがとうございました。この場をお借りいたしまして深く感謝申し上げます。    

4年 庄野那奈

江角彰宣氏略歴

1950島根県出雲市生まれ。1973日本大学工学部建築学科卒業。1986株式会社菊竹清訓建築設計事務所退職(13年勤務) 1993株式会社アーキタンク総合計画事務所退職(8年在籍:共同主催)。1994江角彰宣建築設計事務所設立その後みずほ設計に改組(今年で30年在籍)