(14th)ISAIA 2024 KYOTO

はじめに

 2024年9月10~13日に開催された(14th) ISAIA 2024 KYOTOにて千代先生ならびに千代研究室の学生4名が国際シンポジウムに学生1名がISAIA Design studioに参加しました。

 ISAIA(アジアの建築交流国際シンポジウム)とは、日本建築学会・大韓建築学会・中国建築学会が共催して2年ごとに持ち回りで開催している国際シンポジウムのことです。

 今年の開催は京都ということもあり国際学会ですが幾分かリラックスした気持ちで臨めたのではないかと私は感じています。

 私たちが参加した学術論文の発表は京都工芸繊維大学のキャンパスで行われました。天気にも恵まれ暑い日差しの中、日本国内だけでなくアジア各国から建築の研究者の方々が来場していました。

今回発表した論文のタイトル

千代章一郎「Charlotte Perriand’s production and “folklore”: Composition of the “Selection, Tradition, Creation” exhibition (1941)」

Laman Tarverdiyeva「Impact of Ajami Nakhchivani’s Creativity in the Traditional Architecture of Azerbaijan」

中道泰子「One of the origins of Izumo-style gardens」

冨永大樹「Envelope in jean Prouve’s Residential Works」

安優弥「Contemporary “Utsushi” in the Tezen Family Tea ceremony room “Hakutaikyo”」

 写真:左からラマン、中道、冨永の発表風景

 国際シンポジウムということで発表も英語で行います。発表後の質疑応答では参加者が流暢に英語を話している姿や、言語の壁を超えて建築について語り合う姿に驚きを隠せませんでした。自分の言いたいことが伝えられなかったことが悔しく準備不足が悔やまれる場面もありました。しかし英語での発表で貴重な経験を得られたことは今後に良い影響を与えてくれるだろうと期待します。

 英語が話せる人・話せない人どちらも自らの研究を聞き手に伝えようと努力し各国の建築の研究者が交わり議論を交わす様子は、初めて国際学会に参加した私にとって刺激的で印象深い光景となりました。今回私は自分の言いたいことが英語で表現できなかったために質疑応答の議論に参加できませんでした。この反省を生かして今後国際学会に参加する機会があるならば、英語の議論の輪に入れるよう精進していきたいと思います。

ISAIA Design studio

 今回、2日間のISAIA Design studioに田中佑妃乃が参加しました。

 全て英語で行われ、喋るスピード、語彙、発音など、1人参考書と向き合って学んできたものとは比べ物にならないほど短時間で多くの経験値を得ることができました。

 私の所属したグループでは、AIによる画像生成機能やchatGPTを用いた、高齢者用サービスの提案を行いました。

 建築設計プロセスにおいてAI技術を使用するという手法が図面や模型作成を重視する今までのスタイルと大きく異なっており、難しさを感じながらも自分の視野の広がりを実感しました。

 全グループ合同の最終発表ではそれぞれ、各国の建物周辺の雑多なゾーンに着目した提案や、町屋の再リノベーション(re-renovation)、京都市内の水場の人溜まりの提案がなされ、課題内容や提案内容にそれぞれのバックグラウンドの違いを感じさせる非常に刺激的な機会となりました。

 今まで土着的な建築、風習に刺激を受けることが多かったのですが、今新たに生まれている技術や今あるコミュニティなど、現代の人間の在り方や成果物、進行している物事の過程もまた目を向けるべきものだと、このスタジオを通して考えさせられました。(田中)

おわりに

 私はこれまで論文を書いた経験がなく、さらに言語が英語ということもあり右も左も分からず不安が大きかったです。そんな中、今回の学会発表を無事に終えることができたのも研究室の先生・先輩方の支えがあってこそのものだと思います。感謝を申し上げると共にこの経験を今後の研究に生かせるよう努力していきます。

2024年9月 安優弥