令和五年度 まちづくり演習 大三島訪問

2023年8月24、25日、学部3年生の集中講義「まちづくり演習」の一環として、千代研究室のメンバーで愛媛県の大三島を訪問しました。

昨年と同様、「大三島 みんなのワイナリー」にて栽培と醸造を担当されている川田佑輔さんにお世話になり、ワイン造りに関わる様々な体験をさせていただきました。

ぶどう収穫

両日の午前にぶどう収穫のお手伝いをさせていただきました。
1日目は「キャンベル・アーリー」、2日目は「シャルドネ」という品種のぶどうで、果実や香り、栽培方法などに様々な差異があり、ぶどう栽培の奥深さを感じました。

メンバーは収穫作業を通じて大三島の気候を体感すると同時に、スタッフやボランティアの方々と交流をしながら作業をすることで、大三島の魅力やワイン造りに関わる人々の背景や思いに触れている様子でした。

施設見学・インタビュー

1日目の収穫作業後、ワイナリーの醸造所と「みんなの家」(販売所兼事務所)を見学させていただきました。

醸造所では川田佑輔さんにインタビューのお時間をいただき、施設内の説明やワイン造りの詳細、ワイン造りと建築の関係性や今後の醸造所の展望など様々なお話を聞かせていただきました。
お話を聞いて、佑輔さんが島の気候・風土や島の人々との関わりを人一倍重んじてきたこと、そしてワインと島に対する強い愛着と熱意を持たれていることが伝わりました。

「みんなの家」では川田祥子さんから「みんなの家」とワイン販売についてのお話をお聞きしました。島のワインと人々の関わりについて様々な思案をされている様子からは「気軽に島のワインを楽しんでほしい」という祥子さんの思いが感じ取れました。
また屋内では定期的にイベントが行われるとのことで、この日は子どもたちが集まって絵を描いており、この空間が「みんなの家」として島における暖かな存在となっている様子が垣間見えました。

建築見学

2日目の収穫作業の後、千代章一郎先生の案内の下、島内と今治市内の建築を見学しました。

島内では「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」と、併設する「シルバーハット」を見学しました。

「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」はグレーの鋼板で構成された多面体の外観が印象的でした。内部は多面体による空間操作や照明計画により様々な様相の空間が連続し、独特の空間体験ができる楽しい建築でした。

「シルバーハット」は元々は伊東豊雄氏の自邸として東京に建てられましたが、大三島に再建され、現在は展示やワークショップなどに使用されています。千代先生の解説の中で表れた、緻密なヴォールト屋根の操作により生まれる「洞窟性」と様々な箇所に見られた「仮設性」というキーワードを意識して体験することでより奥深さが感じられました。

「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」外観

「シルバーハット」内観

続いて今治市内に向かい、「今治市役所」「今治市民会館」「今治市公会堂」を見学しました。丹下健三氏は三つの建築をコの字型に配置することで生まれる広場を「市民広場」とし、地域に開放するという構想をしていたとされています。現在広場は駐車場として使用されていますが、三つの建物が調和し一つの集合体として今治のランドマークとなっているように感じられました。

見学の後、千代先生のサプライズでかき氷の名店「玉屋 サントノーレ」に連れて行っていただきました!非常に美味しいかき氷で、旅の締めくくりとして最高のものをご馳走していただきました。千代先生、ありがとうございました!

「今治市役所」外観
「玉屋 サントノーレ」かき氷

おわりに

今回の大三島訪問にて、ぶどう収穫、醸造所・販売所見学を通じて、大三島で行われるワイン造りの一連の流れを体験させていただきました。この体験によりワイン造りをより身近に感じるとともに、ワイン造りによるまちづくりの興味深さを学ぶことができました。

最後になりましたが、貴重な学びの機会を与えてくださった「大三島 みんなのワイナリー」スタッフの皆様、ありがとうございました。この場をお借りして深くお礼申し上げます。